たんぽぽの自己啓発的日常

日常であったこと、感じたことについて、人生のヒントになりそうなことを綴っていくブログです

脱同一化に関する覚書

まとめのようなもの

同一化

感情・衝動・欲求 等に意識が飲み込まれているような状態にあることを「同一化」と呼ぶ。例えば、ダイエットをしているのにも関わらず、間食をやめられないような場合、食欲と同一化してしまっている、と言えるだろう。


詳細には、「食べたい」と感じてから、お菓子なりなんなりを食べて、空腹感が満たされて、はっと我に返る直前まで、食欲と強い同一化の状態にあると言える。ちなみに、その後に「ああ、また欲求に抵抗できなかった・・・」と悔やむことになるだろうが、その瞬間は罪悪感という感情と同一化していることになる。

脱同一化

上記のような状態から脱し、自身の感情・衝動・欲求 等から少し距離を置いた状態を脱同一化と呼ぶ。言葉で説明すると

同一化の状態:「私はお腹がすいている」
脱同一化の状態:「私の中に、お腹がすいている、という感覚がある」
 あるいは「私は空腹を感じている、そのことに気づいている」

といった感覚になる。いわば、意識が感情・衝動・欲求 等の支配から脱した状態と言える。この状態は様々な問題解決において強力な力になる。

偽りの脱同一化

内観などをしている際、この脱同一化の状態を得られることがあるが、ひとつ、似て異なる状態がある。それは、感情・衝動・欲求 等を「分析」している場合。


特に、依存症等を引き起こすのは感情・衝動・欲求 等であり、この種類の感覚を「外から眺めている」ので、脱同一化に成功しているように思えるが、実は「分析」のステートに入っている場合には『思考』および『判断』と同一化していることがほとんどである。


現代において、私たちは「思考」によって問題を解決するように教え込まれるため、一見理に適った行動のように思えるが、思考のみでは感情・衝動・欲求 を抑圧することはできても、解決することはできない。


また、分析には多くの場合、「善悪」「正誤」の判断から派生する自己への『断罪』が意識的・無意識的につきまとい、結果的に自己批判からストレスを増大させる可能性が高い。

効果的な脱同一化の感覚

それでは、効果的な脱同一化の感覚とはいかなるものか。特徴としては「客観」と「受容」が挙げられる。


例えば、「悲しみ」の感覚にフォーカスする場合、「自分の中に、悲しいという感覚がある」と、主観的に認識し、その際になぜ悲しいのか、ということは考えない。感覚をそのまま感じる。無論、「なぜ悲しいのだろう」という思考が浮かぶことはあるが、その思考は一旦脇に置いておく。


いわば、泣いている子供に寄り添うような感覚である。場合によっては、感情によりそうだけで、その感情が解消する場合すらある。(話を聞いてもらってすっきりする、というのに似ている)


さらにそこから内面と対話をしていくテクニックはいろいろあるが、この脱同一化の感覚を身に着けることで、自分の内面を全体的に肯定し、建設的に自己改善に取り組むことが可能になる。


体系的なメソッドとしては、ユージン・ジェンドリンが開発した『フォーカシング』が存在する。


ここまでお読み頂き、ありがとうございました。




やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方

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